中耳に腫瘍ができるまれな病気【中耳腫瘍】

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更新日:2015年12月24日

中耳に腫瘍ができるまれな病気【中耳腫瘍】

中耳腫瘍はゆっくりと大きくなることが多く、症状も腫瘍が一定の大きさになるまで現れにくいことから、発見されにくい病気でもあります。

中耳腫瘍ってどんな病気?

耳は、外耳・中耳・内耳から成っており、耳介、外耳道、鼓膜の奥に中耳・内耳があります。中耳は空洞になっていて内腔は粘膜で裏打されており、粘膜は聞こえという機能を保つために重要な働きをしています。

この中耳にできる腫瘍が中耳腫瘍で、稀な病気とされています。中耳腫瘍はゆっくりと大きくなることが多く、症状も腫瘍が一定の大きさになるまで現れにくいことから、発見されにくい病気でもあります。中耳腫瘍ができると、難聴、耳鳴り、耳の違和感、顔面神経の痙攣(けいれん)や麻痺(まひ)などの症状が現れます。

顔面神経鞘腫(がんめんしんけいしょうしゅ)

神経鞘とは、神経を包んでいる膜(鞘)のことで、そこから発生した腫瘍を神経鞘腫と言います。神経鞘腫は良性の腫瘍で、年月をかけてゆっくりと大きくなりますが、悪性腫瘍(がん)のように転移したり、急激に大きくなることはありません。

顔面神経鞘腫では、脳から耳の骨の中を通過して顔の筋肉へ達する顔面神経に腫瘍ができます。この腫瘍は中耳を通過する神経の部分にできることが多く、初期症状として難聴が現れることがあります。また、顔面の痙攣が起こり、これが次第に顔面麻痺へと移行して、悪化と軽快を繰り返すようになります。

グロームス腫瘍

グロームス腫瘍は、耳の周囲にある神経から生じる腫瘍で、心臓の鼓動に一致した耳鳴り、顔面神経麻痺、内耳障害、嚥下(えんげ)障害、発声障害といった症状が現れることがあります。

中耳腫瘍の診断

中耳腫瘍が疑われる場合には、顕微鏡により鼓膜の観察が行われます。鼓膜が半透明であることから、腫瘍が透けて見えたり、腫瘍の大きさによっては鼓膜を押し出す状態が見えることもあります。また、CT検査では、腫瘍の大きさ、部位、周囲の骨や神経への影響を知ることができます。

中耳腫瘍を治すには

中耳腫瘍の治療は手術によって行われます。顔面神経鞘腫では、顔面神経を温存した手術 や腫瘍の全摘出、顔面神経再建術など、腫瘍のできている場所や大きさ、状態によって手術方法が異なります。また、グロームス腫瘍が大きくなって頸動脈や頸静脈に進展した場合には、手術は慎重に行われます。

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