音の振動を耳小骨に直接伝える! 【人工中耳(埋め込み型補聴器)】

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更新日:2015年01月08日

音の振動を耳小骨に直接伝える! 【人工中耳(埋め込み型補聴器)】

人工中耳は、手術によって中耳機能を代替する機器を体内に埋め込むので、埋め込み型補聴器とも言われています。

1983年に日本で開発された人工中耳

人工中耳(埋め込み型補聴器)は、音を振動エネルギーに変換して内耳に伝えるという役割を持つ機器です。手術によって中耳機能を代替する機器を体内に埋め込むので、埋め込み型補聴器とも言われています。人工中耳は、世界に先駆けて1983年に日本で開発されました。

一般的な補聴器との違いは、補聴器が増幅した音声をイヤホンから外耳へ聞かせるのに対して、人工中耳の場合は、振動子を用いて中耳の耳小骨に直接伝える点です。埋め込み型が適応となるのは、外耳道閉鎖症や中耳炎などを患い、鼓室形成術でも聴力改善が期待できない混合性難聴の人です。

人工中耳の仕組み

人工中耳の主な部分は、側頭骨と皮膚の下に埋め込まれます。そして、耳介の後ろ側に体外部であるマイクに相当する部分を装着します。マイクに入った音は電気信号に変換され、埋め込まれた体内コイルに伝わります。体内コイルには、耳小骨振動子という耳小骨を振動させる器機が接続されており、この耳小骨が振動して音が内耳に伝わります。

一般的な補聴器も人工中耳も音の振動刺激を大きくして内耳に伝える点では同じですが、人工中耳は、鼓膜を振動させる過程を飛び越して、直接、耳小骨を振動させています。

人工内耳の特長

人工内耳を一般的な補聴器と比較すると、音が自然で歪みが少ない、騒音下でも明瞭に聞こえるといった特長があります。また、一般的な補聴器では耳の穴に入れるイヤモールド(耳かけ型やポケット型の補聴器を装着する人のための透明な樹脂製のオーダーメイドの耳せん)が必要ですが、人工中耳では耳の穴を塞ぐ必要はありません。このため、耳の穴に感じる不快感や音の反響であるハウリングがない、外耳炎を起こさないといった特長もあります。

人工中耳の手術

人工中耳の埋め込み手術の前には聴力検査を行い、難聴の程度などの確認を行います。また、CT検査により、中耳の構造や障害の程度などの確認もされます。手術は全身麻酔下で行われます。耳の後ろを切開して体内コイルを埋め込み、側頭骨を削って穴を開け、そこから振動子を中耳腔に挿入して耳小骨に取りつけます。手術にかかる時間は3時間ほどで、手術後は1週間以上の入院を必要とします。

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